比婆山

海抜300米、雲伯の堺に在るこの比婆山は古事記に明示されている天照大御神の御母神である伊邪那美命の御神陵の山であります。

大和朝廷の勅命によって、出来た古事記よりも更に古い高千穂朝廷時代に古代文字で書かれた、「上つふみ」のなかにも「カムイザナミノミコトハトヨチガハラノイヅモノヒワノヤマノイタダキノオオミヤニカクリシヅマリタマイキ」とあります、この比婆山の山頂は三峰あって中央が御陵峰、手まえが遥拝する社祠峰、左が妙見峰である。

妙見峰は夫婦神の夫、伊邪那岐尊を祀った所であるが神仏習合の時代になって妙見菩薩を併祀した峰である。

古代この山頂の社地内に神事に用する浄水の湧く池があり、そして更に供饌米を自給した献穀田の趾がある。

山上西の清水掻側参道の終点附近の「大タワ平」に在って陸稲のちに水稲が作られて社地内で自給供米に恵まれた原始祭祀の特異な古代様式の社であったので、それで古代は「久米社」の称号があったとゆう伝承がある。

そして山体は神聖視して俗人の墳墓を造らず汚さず信仰の山として広く雲伯に知られていたのである。

中世の尼子時代には富田城の裏鬼門と東方守護の祭神として崇敬殊に篤く社殿、随神門をはじめ神殿悉く整備し五坊、鐘楼整い神仏習合一山の隆盛を極めた史趾もあります。

また尼子氏哀運し富田城に龍城した際に兵糧困窮し五ヶ年間、伯州、備後、備中などからの兵站馬隊の輸送は比婆山を中継し山陵伝いに搬入した「尼子道」の遺跡も今に残っているし、天然記念物の陰陽竹自生群落もあり、玉抱石、神龍石、権現岩などの奇勝もあって古代より「神陵神」を祀る比婆山信仰の山であります。

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