臨床研究に関する倫理規程

安来市立病院臨床研究に関する倫理規程

臨床研究とは、「疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人を対象とするもの」をいう。
臨床研究を行う際に最も重要なことは人権の保護であり、世界医師会が発表したヘルシンキ宣言の中に詳しく記されている。
また、日本では平成16年12月に厚生労働省が「疫学研究に関する倫理指針」、「臨床研究に関する倫理指針」を告示している。さらに学会も独自に倫理指針を発表しており、当院での臨床研究は被験者の生命、健康、プライバシー、尊厳を守るというこれらの倫理指針に則って行う。

臨床研究を実施するための必須条件

  1. 倫理的かつ科学的に適正な臨床研究計画書を作成し、それを遵守すること。
  2. 臨床研究に関わるものから独立した委員会(倫理委員会)で臨床研究計画書及び被験者への同意説明文書が審議され承認されること。
  3. 研究に先立ち、被験者から適正なインフォームド・コンセントが文書で得られること。被験者が経済上又は医学上の理由により不利な立場にある時は、被験者の自由意志の確保に十分配慮すること。
  4. 被験者の安全を優先し、病状の悪化などを認めた場合は研究を中止すること。

臨床研究計画書

原則として以下の事項を記載する。

  1. 被験者の選定方針
  2. 当該臨床研究の意義・目的・方法・期間・研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険
  3. 個人情報の保護の方法
  4. 共同臨床研究機関の名称
  5. 研究者等の氏名・職名
  6. インフォームド・コンセントを受けるための説明事項及び代諾者を含めた同意文書、同意撤回書
  7. 当該臨床研究に伴う補償の有無
  8. 当該臨床研究に係わる資金源

臨床研究を行うにあたって被験者または代諾者に対する説明事項

  1. 当該臨床研究の意義・目的・方法・期間
  2. 研究者等の氏名・職名
  3. 被験者として選定される理由
  4. 当該臨床研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険性
  5. 個人情報は保護されること
  6. 個人情報の取り扱い、提出先の機関名、提出先における利用目的が妥当であること等について倫理委員会で審査した上で、当該臨床研究の結果を他の機関へ提供する可能性があること
  7. 当該臨床研究に係わる資金源
  8. 当該臨床研究に伴う補償の有無とその内容
  9. 被験者及び代諾者等の希望により、他の被験者の個人情報や当該臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究の計画や方法についての資料を入手又は閲覧することができること
  10. 当該臨床研究の成果により特許権などが生み出される可能性があること及びその場合の帰属先
  11. 被験者を特定できないようにした上で、当該臨床研究の成果が公表される可能性があること
  12. 当該臨床研究への参加は任意であること
  13. 当該臨床研究への参加に同意しないことをもって不利益な対応を受けないこと
  14. 臨床研究の途中であっても、不利益を受けることなく撤回できること
  15. 被験者からのインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には、当該臨床研究の重要性及び被験者の当該臨床研究への参加が当該臨床研究を実施するに当たり必要不可欠な理由を記載しておく
  16. 問い合わせ、苦情などの窓口連絡先などに関する情報

附則

  1. この規程は、平成22年11月2日から施行する。