安来が産んだ伝説の右腕

平成23年7月号掲載

 先日、東京で開かれた東京安来会総会に出席し、安来市出身で関東に在住する皆さんと交流を深めました。その中に、ひときわ体つきががっしりとした白髪の紳士が一人。昭和31年夏 の甲子園で、強豪校を次々と破る快進撃を演じ、米子東高校をベスト4に導いたエース・長島康夫さんその人です。当時の活躍ぶりは「大会随一の右腕」と称され、世間に「長島旋風」を巻き起こしました。このほど、長島さんが執筆された「19歳の甲子園」が出版され話題を呼んでいます。
 8歳のとき朝鮮半島で終戦を迎えた長島さんは、父親と姉を失うという悲劇に見舞われながら、引き揚げて来た安来で野球と出会いました。著書には、貧困生活の中で安来の人 たちに支えられながら野球に没頭し、安来一中野球部で頭角を現したことや、引き上げの影響で年齢が超過し、甲子園大会の直前まで出場停止処分を受けたエピ ソード、プロからのスカウトを断り、70歳まで社会人野球に携わった半生などが克明に紹介されています。逆境にめげず純粋に野球を愛し続けたすがすがしい までの生き様に、大切なものを忘れかけた現代人へのエールが込められているように感じました。
 安来への思いを長島さんは「当時、よそから来たわたしたち家族に、温かく接してくれたまちです。第一のふるさととして自分の中に生きています」と語られました。長島さんの豊かな人間性が形成された過程に、安来の地がかかわったことを誇りに思います。
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